洗脳学級
沙月は一気に説明をして大きく息を吐きだした。


当時の様子を思い出すように、時々空中へと視線をなげかけている。


「ナツキが自殺したとき、真っ先にアプリのことを思い出したの。ナツキは消極的な性格で、とても人を殺せるような子じゃなかった。それを、アプリが変えてしまった」


「それから沙月はどうしたの?」


あたしが聞くと、沙月は頷いた。


「まず、アプリを自分のスマホにダウンロードした。普通に使うためじゃなくて、なにが起こったのか分析するために」


そう言って、沙月は自分のスマホを取り出した。


画面上からお役立ちアプリのアイコンは消えている。


「アプリの画面をパソコンに取り込んで色々と調べてみたらね……サブリミナル効果があるものだってわかったよ」


「サブリミナル効果って……」


美世がそう呟いてあたしを見た。


目に見えない速度で写真が挿入されていることだ。
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