洗脳学級
☆☆☆
「返せ! あたしのスマホを返せ!!」
気が付けば、あたしはトイレの個室を殴りつけるように叩き、そう叫んでいた。
他の生徒たちが何事かと見に来ていたけれど、そんなことも気にならなかった。
目を見開き、唾をまき散らしながら個室内にいる美世へ怒鳴る。
「返せって言ってんだろ!!」
それでも出てこない美世に、今度はドアを蹴り付けた。
上履の汚れが白いドアにクッキリと刻まれる。
「返せよクソ女!!」
呼吸が乱れ、焦りと怒りと絶望が交互にあたしに襲い掛かる。
消される。
あたしの大切なアプリが消される。
「なんでそんなことしたの?」
のんびりとした声が聞こえてきて顔を向けると、そこに立っていたのは佑里香だった。
「沙月言ってたじゃん。洗脳だって。自分で無理矢理解けるようなもんじゃないでしょ?」
佑里香の手にはスマホが握られていて、画面上にはウサギがいた。
そのウサギを見た瞬間、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「返せ! あたしのスマホを返せ!!」
気が付けば、あたしはトイレの個室を殴りつけるように叩き、そう叫んでいた。
他の生徒たちが何事かと見に来ていたけれど、そんなことも気にならなかった。
目を見開き、唾をまき散らしながら個室内にいる美世へ怒鳴る。
「返せって言ってんだろ!!」
それでも出てこない美世に、今度はドアを蹴り付けた。
上履の汚れが白いドアにクッキリと刻まれる。
「返せよクソ女!!」
呼吸が乱れ、焦りと怒りと絶望が交互にあたしに襲い掛かる。
消される。
あたしの大切なアプリが消される。
「なんでそんなことしたの?」
のんびりとした声が聞こえてきて顔を向けると、そこに立っていたのは佑里香だった。
「沙月言ってたじゃん。洗脳だって。自分で無理矢理解けるようなもんじゃないでしょ?」
佑里香の手にはスマホが握られていて、画面上にはウサギがいた。
そのウサギを見た瞬間、ゴクリと生唾を飲み込んだ。