洗脳学級
☆☆☆

翌日。


あたしの瞼は真っ赤に腫れ上がっていた。


「ちょっと、その目どうしたの!?」


「大丈夫だよお母さん」


あたしは自分の顔を鏡で確認し、鼻歌気分で家を出た。


瞼は腫れているし、ヒリヒリとした痛みがある。


それでもつけまつ毛はしっかりとくっついてくれていた。


これだけであたしの目は大きく見える。


「ちょっと、麗衣!」


教室へ入るや否や美世がそう声をかけて来たので、あたしは上機嫌で立ちどまった。


さっそく気が付いてくれたんだろう。


「どうしたのその顔!」


「どう? まつ毛が長くなったでしょ?」


「まつ毛って……一体なにしたの?」


「つけまつ毛をくっつけたんだよ、普通の接着剤で。こうすれば外れないから、楽でいいよ!」


そう言うと、美世の顔は見る見る青ざめて行く。


「早く取らないと、大変なことになるよ!?」


「どうして取らないといけないの?」

< 221 / 248 >

この作品をシェア

pagetop