洗脳学級
あたしはアプリの言うことに従っただけだ。


アプリの言葉に従うと、いい結果が待っていることは美世だってわかっているはずだ。


「失明しちゃうかもしれないよ!?」


「あはは! 美世ってば大げさなんだから」


瞼の腫れだって、きっと明日には治まっているだろう。


そうなれば、このまつ毛は完全にあたしのものだ。


「麗衣……」


美世が絶望したような表情を浮かべた時だった、教室の前のドアが勢いよく開いて1人のクラスメートが入って来た。


「なぁ! 今先生に聞いたんだけど、佑里香が死んだんだって!」


早口でそう言う男子生徒に教室中が静まり返った。


あたしと美世は目を見交わせる。


佑里香が死んだ?


そんな連絡貰ってない。


「変な冗談言わないでよね」


そう言ったのは沙月だった。


その一言で、緊張した教室内の雰囲気が緩むのを感じた。
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