洗脳学級
「じゃあ、どこから……?」


一番後ろを歩いていた美世がゆっくりと振り向く。


後方には住居用のドアが並んでいて、特に変なところは見られない。


「ドアの鍵は全部しまってたよな……?」


昌一はそう言いながらもう1度廊下を進んで行く。


あたしもそれにならい、ドアを確認しながら奥へと進む。


その時だった……。


昌一が一番奥のドアに手をかけたとき、ギィィと錆びた音が響いてドアが開いたのだ。


「え、なんで……」


思わず呟く。


さっき確認したときは確かに鍵がかかっていた。


「入ってみよう」


青ざめているが、昌一がしっかりとした足取りで進んで行く。


「美世、大丈夫?」


「うん。昌一1人で行かせるわけにはいかないもん」


あたしと美世は手を握り合って昌一の後に続いた。
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