洗脳学級
手前にキッチンがあり、トイレとお風呂に続くドアがある。


奥へ向かうと、そこは6畳ほどの和室になっていた。


畳は劣化し、あちこちが黒ずんでささくれ立っている。


少し歩くだけで床はギィギィと嫌な音を立てた。


そんな部屋の奥に、ソレは置かれていた。


《ボクが解決してあげるよ!》


いつもの声で話しかけてくるのは、汚れたウサギの縫いぐるみだった。


「なにこれ……」


あたしたち3人はウサギのぬいぐるみを取り囲むようにして立ち止まった。


ウサギの右目だったはずの黒いボタンは、糸がほつれて垂れ下がっている。


腕も足も今にも千切れてしまいそうで、腹部からは綿が飛び出している。


「なんでこのウサギがここに……?」
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