洗脳学級
「あたしを養子にしてくれた人が、アプリ会社の社長なの」


美世の言葉にあたしの期待は一気に崩れ去って行った。


驚きと絶望で間の前がクラクラする。


「あたしは自分が受けて来たことを、今の両親に話した。そしたら、洗脳に興味を持ったみたいで、アプリを使って人を動かすことができるのか? 人は洗脳されたらどこまで残酷になれるのか? そういうことを研究しはじめた」


「じゃあ……」


あたしはそこまで言って、言葉を切った。


次の言葉を続ける事ができない。


「そうだよ。あたしもアプリ開発を手伝った」


美世はそう言ってほほ笑んだ。


「あの人たちはあたしにとって命の恩人だよ。こうして普通に学校へ行けるんだから」


美世からすればそうだろう。


だけど、あのアプリのせいで何人も死んでいるのだ。


「沙月があのアプリを知ってたことは意外だった。でも、そのお蔭でアプリをクラス中に広げることができたんだよ。沙月には感謝しなきゃね」


「美世は、みんながどうなってもいいの!?」
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