洗脳学級
「そんなことは思ってないよ? だからあたしは止めたじゃない。それでもアプリを使い続けたのは麗衣だよ?」


「それは……!」


確かに、早い段階ならアプリを消す事ができたかもしれないけれど……。


「わざと吐く真似をして、アプリが悪いのかもって教えてあげたよね?」


「もしかして、あれは演技だったの?」


そう聞くと、美世は頷いた。


「そうだよ。あたしのスマホに入っているお役立ちアプリは洗脳効果がない、普通のアプリだからね」


「そんな!」


今さら教えてもらったってもう遅い。


あたしはもうアプリを消すことができないんだから!


「でもあのアプリは本当に役立つでしょう? 未来を予知して教えてくれるんだから」


「いくらAIでも、あそこまではできないだろ。他にもなにかあるんじゃないのか」


昌一の言葉に、美世は頷く。


「そうだよ。あのアプリはすべてを見通せるアプリ。絶望を目の当たりにしたあたしの念が籠ってるからね」

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