洗脳学級
洗脳学級
朝が来ていた。


体はとてもだるくて、瞼に強い痒みを感じている。


あたしはベッドに座り、左手で瞼をかきながら右手でスマホを持った。


「今日はなにをすればいい?」


そう質問すると、画面上のウサギが飛び跳ねながら答えてくれる。


《ボクが解決してあげる! 今日も学校がある日だよ! 準備をしよう!》


あぁ、そうだっけ。


とっくの前に日付感覚はなくなり、自分がどうして学校へ行っているのかもわからなくなっていた。


でも、アプリが言うのだから学校へ行くことが正しいのだろう。


あたしは昨日アプリに教えてもらった通りに制服に着替えをし、朝食を食べ、顔を洗って歯磨きをした。


それから、どうするんだっけ?


「準備できたけど、どうすればいい?」


《ボクが解決してあげる! 学校へ行けばいいんだよ!》


そういえば、そうだっけ。


家の外へ出ると太陽の眩しさに頭痛がした。


体もダルイし、学校休みたいな……。


でもアプリが言うんだから行ったほうがいいんだろう。

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