洗脳学級
それでも2人とも笑顔を絶やさず、笑い声すら上げながら切断を続けている。


周りのクラスメートたちはアプリに質問をすることに忙しくて、そのことに気がつかない。


そうだ、あたしもアプリに質問しなきゃ。


だって自分の席がどこなのかわからないんだもん。


その時昌一があたしの隣を通り越して行った。


当然、手にはスマホ。


そしてアプリが起動されている。


昌一もようやくお役立ちアプリの素晴らしさに気が付いたようで、最近はスマホを肌身離さず持っている。


「いやぁぁ!!」


そんな悲鳴が聞こえてきて視線を向けると、沙月が複数の男子生徒に押し倒されているのが見えた。


《ボクが解決してあげる! 自分の欲望に素直になれば、振り向いてくれるよ!》


沙月を襲っている1人のスマホから、そんな声が聞こえて来た。


アプリからの答えなら、仕方のないことだった。
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