洗脳学級
火事だけでなく事故や自殺現場の写真なども、探せばいくらでも出て来るんだから、撮影している人物が存在しているということだ。


SNS上の写真や動画は有名になればテレビなどで取り上げてもらえることもあり、有名になることも可能だった。


「でも、そんなので有名になっちゃダメだよ」


後ろからそう声をかけて来たのは佑里香だった。


「のんびり火事の現場を撮影なんてしてたら危ないんだしさ」


「……そうだよね?」


あの時に逃げたことは間違いじゃない。


それは理解しているけれど、有名になれるチャンスだったかもしれないと考えると、どうしても撮影しなかったことを後悔してしまう。


「これだけの写真や動画を撮ってる人がいるのに、何言ってるの?」


沙月は呆れたようにそう言って、自分の席へと移動してしまったのだった。
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