洗脳学級
3人分のタルトが運ばれて来て、さっそくフォークを持つ。


「いただきまぁす」


ひと口食べると甘酸っぱさが口いっぱいに広がって、自然と笑顔になっていた。


「おいしーい!」


美世も満足そうにそう声をあげる。


小食でやせ形の佑里香だけ、小さな口でちょっとずつ食べている。


「佑里香はどう?」


「うん、おいしい! でも、これを食べたら晩ご飯が食べられなくなりそう」


そう言う佑里香に思わず笑ってしまった。


タルトと言ってもワンホールあるわけじゃないし、このくらいでお腹いっぱいにはならない。


「いいなぁ佑里香は太らなくて」


タルトを食べながら美世は羨ましそうに佑里香を見る。


確かに、佑里香はどれだけ食べても太らない体質だった。
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