洗脳学級
☆☆☆

これから先もこういう事故を目撃することでフォロワー数が増えて行くかもしれない。


そう思うとどこかワクワクした気分になっている自分がいた。


「だめだめ。火事の時には死人も出たんだから」


自分にそう言い聞かせて机に座り、宿題を開く。


しかし、いくら問題に目を通してみても集中することはできなかった。


つい1時間くらい前にあんな事故を目撃したばかりなのだから、当たり前のことだった。


《麗衣:2人とも、なにしてる?》


ついスマホを取り出して、美世と佑里香とあたしの3人で作ったグループラインに書き込んでしまう。


暇な時にやってしまう癖だった。


《美世:宿題してるよ。難しい》


絵文字つきで美世がすぐに返事をくれた。


《麗衣:あたしも宿題してる。でも全然頭に入って来ない》


《美世:頭に入ってきてもわからない》


その答えにあたしは笑ってしまった。

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