洗脳学級
夕飯の下ごしらえを終えたお母さんがソファでくつろいでいる。


「お母さん、これ見て!」


興奮気味にそう言ってスマホ画面を見せるあたし。


「なにこれ。テレビ局?」


そう聞きながら、お母さんは顔をしかめている。


「さっき調べたんだけど、テレビ局の住所も電話番号も一致してて、江藤って人の顔写真も出て来たの! これ、本物だと思う!」


「そうなの? 麗衣が撮影した動画を使うだけ? 本当に大丈夫?」


さすがに突然のダイレクトメールなので、お母さんも警戒しているようだ。


あたしも、これだけで判断していいものかどうか悩み所ではあった。


でも、これがもし本当なら、あたしのフォロワーは更に跳ね上がることだろう。


そう思うと、期待する気持ちの方が上回った。


「ねぇ、連絡取るくらいいいよね?」


「そうねぇ……。でも、向こうが連絡先を聞いて来たり、お金の話になったらすぐにやめるのよ?」


「わかってる!」


あたしはそう返事をして、さっそく返信をしたのだった。
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