洗脳学級
今までイジメられていたのだから、突然相手に立てつくなんてあたしでも無理かも。


「嘘つけよ、ちょっとくらい持ってんじゃねぇのかよ」


浩哉は執拗に想へ絡んでいる。


べったりと体を密着させて耳元で金を出せと脅しているのだ。


見るに堪えない。


そう思って視線を逸らした時だった。


「痛い! なにするんだよ!」


と、想の叫び声が聞こえて来たのだ。


驚いて視線を向けると、想が床に転げ回って叫んでいる。


浩哉はその場に立ち尽くし「ち、違う。なにもしてない」と、クラスメートに弁解していた。


「腕が……折れたかもしれない!」


「う、嘘だろ。ちょっと叩いただけじゃないかよ……」
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