洗脳学級
「想、腕は……?」


恐る恐るそう声をかけてみると、想はようやく笑うのをやめて立ち上がった。


「腕? ちょっと叩かれただけだから、どうってことないよ」


そう言い、押さえていた右腕をグルグルと回して見せた。


それを見てひとまずはホッと安堵の息を吐き出した。


どうやら、想の迫真の演技を見せられていただけのようだ。


「どうしてそんなことを?」


そう言ったのは佑里香だった。


すると想はスマホを取り出して、画面上にいるウサギをあたしたちに見せて来た。


「こいつが、大げさに痛がってのたうち回れって教えてくれたんだ」


そう言って笑う想。


なるほど。


それなら想でもできそうなことだ。


「さすがお役立ちアプリだなぁ」
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