洗脳学級
あたしの舌もお腹も、もうコロッケパンを受け入れる体制に入っていたというのに……。


そうこうしている間にあたしの番になってしまった。


どうしよう、早く注文しなきゃいけないのに決まらない。


何が食べたいのか途端にわからなくなってしまった。


「ちょっと、早くしてよ」


あたしの後ろから3年生の先輩が声をかけて来る。


「ご、ごめんなさい」


そう答えたところで、さっきの昌一との会話を思い出した。


そうだ、困ったときにはアプリに頼ればいいんだ。


あたしはすぐにスマホを取り出してアプリを起動させた。


「購買のパンはどれがおすすめ?」


《ボクが解決してあげる! 焼きそばパンがおすすめだよ!》


焼きそばパンか。


まだ食べたことのないパンだけど、アプリが言うのなら美味しいのだろう。


あたしはそう思い、焼きそばパンを購入したのだった。
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