洗脳学級
☆☆☆

翌日、目が覚めるとあたしはすぐにスマホを確認した。


昨日作成したフミのアカウントがどうなったのか見てみると、想像以上のいいねとリツイートを貰っていることがわかった。


普段からクロの書き込みに嫌気がさしていた人も多いのだろう、《クロの正体暴くとか神》《これであいつはネットから消されたな》などという書き込みが多く見られた。


あたしは口元に笑みを浮かべ、今度はクロのプロフィールページを表示させてみた。


しかし、ページはすでに削除され表示されない状態になっていた。


逃げ足だけは早いみたいだ。


でも、もう遅い。


住所も電話番号も本名もバレているのだから、田中正文で検索をしたら嫌というほど顔写真が出て来る。


あたしが知らない情報までどんどん書き込まれていて、どの情報が正しいのかわからなくなっている。


こうなると、もう終わりだ。


あることないことを書きこまれて、飽きるまで誹謗中傷を受けるのだ。


ネット上で公開処刑を行われているのと同じ状態だから、本当の引きこもりになってしまうかもしれない。


「麗衣、起きてるの?」


一階からお母さんの声が聞こえてきて、あたしは気分よく返事をした。


今日は朝から気分がいい。


いい1日になりそうだ。
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