洗脳学級
今から勉強したって苦手な数学のテストができるとは思えないけれど、なにもしないよりは少しはマシだった。


「あたしも勉強する」


そう言ってやってきたのは佑里香だった。


3人の中じゃ一番数学が得意だ。


「どこら辺がでるかわかる?」


そう聞くと、佑里香が教科書を開いて教えてくれた。


「小テストなのに範囲広すぎない!?」


5ページ分の教科書を見てメマイを感じ、そうなげいた。


これはもうどうにもならないかもしれない。


「この中のどれかが出るって言ってたよ。麗衣、方程式覚えられる?」


佑里香にそう聞かれてあたしは左右に首を振った。


「今からなんて無理だよぉ」


どうしてテストの存在を忘れてたんだろう!


苦手だからって中途半端にしか授業を聞いていなかった自分を呪いたくなった。

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