洗脳学級
☆☆☆

家を通り過ぎて○×マートに到着すると、店内は夕飯の買い物をするお客さんでごった返していた。


あたしは周囲をしっかりと確認しながら牛乳売場へと向かう。


これだけの人がいる中で火事が起きたらどうなるだろう?


車が突っ込んできたらどうなるだろう?


そう考えると、どこかワクワクしている自分がいた。


あたしはまた、SNS上で一躍有名になれるかもしれないのだ。


期待と緊張に胸を膨らませながら買い物をしたのだが、結局○×マードで事故や事件は起きなかった。


「なんだ、なにもないじゃん」


店外へ出て大きく息を吐きだす。


アプリも役に立たない時があるのかもしれない。


そう思って歩いていた時だった。
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