洗脳学級
☆☆☆

どうしてアプリはあたしをあの場所へと誘導したのだろう。


家に戻ってから考えてみてもわからなかった。


アプリはあたしにとっていいことを教えてくれるはずだ。


今まではそう思っていた。


でも、今日の一件でそれも揺るぎ始めていた。


佑里香が恐怖に感じていた通り、アプリが教えてくれた場所に行くと嫌な思いをするのかもしれない。


確信は持てなかったけれど、このアプリや役立つだけではない気がした。


あたしはベッドに寝転がり、スマホを取り出してアプリを起動させた。


もう見慣れてしまったウサギが画面に出て来た瞬間、強いメマイを感じて目を閉じた。


メマイと同時に吐き気が込み上げて来る。


しかしそれはあらがえないほどのものではなく、メマイはすぐに消えて行った。


「今の、なに……?」


画面上には嬉しそうに飛び跳ねているウサギがいるばかりだった。
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