ストーリー
呪いを解く方法としては、まず自分がどんな呪いにかかっているか知る必要があるらしかった。


「あたしの場合は……日記」


たどりついたのは咲紀の日記だった。


缶の中に入れてお札を貼ってから、1度も外へ出していない。


でも、あれこそ呪いの現況だと思えた。


それを元に調べ直してみると、出て来たのは言霊という単語だった。


人の言った言葉や、書いた言葉には魂が宿ると昔から言われているようだ。


咲紀の書いていた日記には、当初考えていた通り強い怨念が籠っていそうだ。


それが言霊となり、あたしたちに襲い掛かってきているのだ。


そう理解したあたしは舌なめずりをして、ベッドの下から缶を取り出した。


お札を引きはがし、日記を取り出す。


日記に触れた瞬間、全身に寒気が走った。


この日記を捨ててしまうのはもったいなかったけれど、言霊を消すためには、書かれているものを抹消してしまうのが一番だった。
< 100 / 195 >

この作品をシェア

pagetop