ストーリー
あたしは咲紀の日記を片手に、もう片手にマッチを持って庭へ出てきていた。


空を見上げると今日もとてもいい天気だった。


風もないから、火が燃え移る心配もない。


あたしはノートをコンクリートの上に置き、躊躇することなく火をつけたのだった。


咲紀の日記はあっという間に燃えて言った。


白い煙を上げながら、黒い隅に変化していく。


咲紀の書いた言葉たちは数分後には全く読むことができなくなっていた。


「これで終わりだね」


あたしは灰になった先の日記を踏みつけて、そう言ったのだった。
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