ストーリー
☆☆☆

メッセージにあった通り、健太郎は校門の前で待っていてくれた。


「ごめん、ちょっと遅れちゃった」


「全然待ってないから大丈夫」


2人で歩き出すと、すぐに手が繋がれた。


日記を燃やしてしまってから、健太郎の顔が明日香に見えるようなこともなくなった。


今日は遊園地であまり楽しめなかったから、埋め合わせとしてのデートだった。


「駅前に新しいクレープ屋ができたらしいな」


「うん。よく知ってるね」


「昨日母親が言ってたから」


そんな他愛のない会話をしながら、お目当てのクレープ屋に到着すると、女の子たちで溢れていた。


オープンして間もないし、大盛況だ。


「あ、あんなところに観覧車があるな」


クレープを買うために並んでいると、健太郎がそう言って上空を指さした。
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