ストーリー
「なんでこんなことになったの……」


小さな声でそう呟いた時だった。


河川敷に強い風が吹き抜けた。


スカートが舞い上がらないよう片手で押さえたとき、風に乗ってなにかが飛んでくるのが見えた。


ソレは、躊躇することなく真っ直ぐにあたしの方へと飛んでくる。


最初はただの紙切れだと思った。


けれど、近づくにつれてそれがノートであることがわかった。


更に近づいた時、あたしは青ざめていた。


スカートを押さえつけるのも忘れて、こちらへ飛んでくるソレを見つめる。


「嘘でしょ……」


ソレがあたしの目の前までやってきた途端、風は止まった。


パサリと音を立てて落ちたソレは……咲紀の日記だ。
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