ストーリー
「そう。その久林さんが、今朝亡くなったって連絡が来たの」


「え?」


一瞬目の前が真っ白になり、全身が凍り付いた。


まさか、階段から落ちてそのまま死んでしまったんだろうか?


ちゃんと救急車で運ばれて行くのを確認したけれど、その後咲紀がどうなったのか、まだ連絡が来ていない状態だった。


「死んだって、なんで?」


あの時咲紀を殺してしまったかもしれない。


そう思うと、自然と声が震えた。


「家のお風呂で亡くなっていたらしいわ」


「お風呂?」


「そう……手首を切って」


言いにくそうにそう言う母親。


自殺。の、二文字が脳裏に浮かんだ。
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