ストーリー
それでも、あたしは日記を開いてその中身を確認するしかないのだ。


今回の事件まで書かれているのかどうかを……。


適当に開いたページに視線を走らせ、そして硬直してしまった。


《愛菜は恋人の健太郎を絞め殺す》


その文章が目の中に飛び込んで来たのだ。


「嘘だ……」


自分の声がやけに枯れていた。


これも、すべて咲紀の言霊のせいだったっていうの?


「嘘だよこんなの。だって……あり得ない」


ブンブンと左右に首を振ってみても、現実は変わらなかった。


日記には確かに《健太郎を絞め殺す》と書いてあるのだ。


その前の文章を読んでみると、ちゃんと観覧車に乗る時の描写がされている。


「全部……咲紀が仕組んだことなの!?」


もしそうだとすれば、この先を読み進めればあたしがどうなるのかわかるのかもしれない。
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