ストーリー
それを思い出したあたしはすぐに動き出していた。


部室内なら、外よりも随分とマシだ。


学校内へ入れたらトイレもあるし、部室棟へ移動すればシャワーも借りることができる。


これほどいい場所は他にはないだろう。


足早に階段を駆け上がったとき、近くの大通りをパトカー数台が駆け抜けて行った。


身を縮め、街灯の少ない狭い道を選んで学校へと向かう。


こんな深夜にこそこそと学校まで行くことになるなんて、思ってもいなかった。


でも、文芸部にはパソコンも置いてあるから、事件について調べることもできる。


あたしにとっては好条件だった。


どうにか人と会うことなく、校門をくぐっていた。


毎日通っている場所なのに、夜中に見るととても不気味だ。
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