ストーリー
その気味悪さに身震いをしながら部室の窓へと走った。


確か、右から2番目の窓だったっけ。


記憶を呼び起こしながら窓に手をかけて、力を込めた。


ガラッと音がして予想通り窓は開いた。


その瞬間、笑みがこぼれる。


よかった!


これで今日はどうにか夜を超すことができそうだ。


右足を窓枠にかけて全身を持ち上げ、部室内へと侵入した。


すぐに窓とカーテンを閉めて、ようやくホッと息をつくことができた。


ここまでほとんど走って来たから、肺が痛い。


床に座りこんだまま大きく深呼吸を繰り返して、どうにか落ち着く事ができた。


月明かりで見える文芸部の中は、今日の放課後見たのと全く同じ状態だった。


あたしは靴をぬぎ、パソコンを立ち上げた。


2台しかないパソコンは資料集めのために使っている。
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