ストーリー
更にニュースの記事を読み進めて行こうと思ったが、強い吐き気を感じてその場に倒れ込んでいた。


今日1日張っていた気持ちが、ここにきて少し緩んでしまったのだろう。


あたしはゴミ箱を引き寄せてその中に嘔吐した。


パソコンは消して置いた方がいいとわかっているのに、全身がダルくて起き上がる事も困難だった。


SNSなどではあたしの名前や顔写真がすでに出ているかもしれない。


そうなれば、もう逃げ道はどこにもないようなものだった。


全国の人があたしの顔を知り、あたしを追いかけて来るだろう。


そう思うと、自然と涙があふれて来ていた。


こんなハズじゃなかった。


健太郎を殺すつもりなんてなかった。


あたしが逮捕されれば、咲紀イジメや明日香殺害についてもバレてしまうかもしれない。


そうなれば、もう終わりだ。


コンテストなんて、プロデビューなんて、今後一切できなくなるだろう。
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