ストーリー
☆☆☆

咲紀が自殺するなんて完全に想定外だった。


足早に学校へ向かいながら舌打ちをする。


一応、文芸部のメンバーにはメッセージを送っておいたけれど、これからどうなるかわからない。


部活内でのイジメが発覚すれば最悪退学になってしまうかもしれない。


そう考えると気が気じゃなかった。


この前のコンテストで、あたしはようやく一次審査を通過することができたんだ。


まだまだ、これから沢山のコンテストに参加して華々しくデビューする予定だ。


それが、こんな所で躓くなんてありえなかった。


学校に到着したあたしは、教室へは向かわずに文芸部の部室へ向かった。


メッセージを送っておいたから、きっと誰かがいるはずだ。


そう思って部室の前までやってくると、部屋の中から話声が聞こえてきた。
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