ストーリー
「タバコを持っていなければ、書いた通りにはならないだろ」


修人はそう言い、日記を閉じた。


ひとまず2人はこれで安心かもしれない。


だけど問題はこれで終わりではなかった。


あたしは健太郎を殺しているのだから、自殺しなかったとしてもどこにも居場所がないのだ。


2人だって、あたしと一緒にいることで立場は悪くなっているはずだ。


「2人とも、帰らなくていいの?」


空は徐々に明るくなり始めている。


早く帰らないと、家の人に怪しまれてしまう。


そう思ったのだが……。


「俺たちも、もう帰る場所がない」


と、和人が言ったのだ。


「どういうこと?」


そう質問すると、和人がスマホを取り出して操作しはじめた。
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