ストーリー
ゴンッと鈍い音が聞こえてきて、修人の体がこちらへ向けて倒れて来たのだ。


咄嗟のことで逃げることもできず、あたしは修人の体と共に倒れ込んでしまった。


「え……?」


唖然としている間に、のしかかった修人の額から血が流れて行くのを見た。


「大丈夫か?」


その声がした方へ視線を向けると、大きな木切れを手にした和人が立っている。


「和人……なんで……?」


そう聞きながら、修人の体を横へとずらした。


「修人の思い通りにはさせない。まだ、咲紀の呪いは終わってない」


「でも、これどうするの?」


修人は額から血を流して気絶してしまっている。


「これから警察を呼ぶ」


「え?」


「安心しろ。犯人は修人だ。俺たちは修人に命令されて咲紀をイジメ、明日香に暴行を加えたことにすればいい」
< 145 / 195 >

この作品をシェア

pagetop