ストーリー
それでも、世間の目は変化していた。


逮捕前は悪魔のような女として通っていたあたしが、一変して被害者になっていたのだ。


《名無し:愛菜ちゃん、実は可愛そうな子だったんだな》


《万年ニート:ごめん愛菜ちゃん。俺色々と誤解してた。悪いのは白井修人》


そして、事件が起きて2か月後……。


あたしは自分の家に戻ってきていた。


久しぶりの家庭の匂いに不覚にも涙が滲んできてしまった。


「おかえり」


警察署まで迎えに来てくれていた両親が、あたしの後から玄関に入り、そう声をかけてくれた。


「ただいま」


涙声でそう返事をする。
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