ストーリー
今は和人も家にいるはずだった。


「引っ越す事になった」


和人の言葉にあたしは顔を上げた。


「……そっか」


あんな大きな事件があったのだから、それも当然の結果かもしれななかった。


もう、この街にはいられない。


あたしだって、今は被害者になっているからいいけれど、いつ引っ越す必要がでてくるかもしれなかった。


「その前にもう1度咲紀の家に行こうと思うんだ」


「え?」


あたしは眉を寄せてそう聞き返した。
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