ストーリー
正直、もう咲紀と関わり合うつもりはなかった。


日記の通りに死ぬこともなくなったのだから、それでいいはずだ。


「なぁ、咲紀の呪いは本当にこれで終わると思うか?」


「どういう意味?」


「ここまで人を左右するほどの呪いが、タバコを捨てただけで変わると思うか?」


そう聞かれると、返事ができなかった。


日記に書いてあったのはタバコのせいで火事になるということだった。


でも、それだけで終わるとは思えない。


あたしを水中に引きずり込もうとした咲紀の顔を思い出し、身震いをした。


咲紀はあの時笑ったのだ。


楽しそうに。


それは、簡単には咲紀の呪いが終らないことを差しているのかもしれない。
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