ストーリー
☆☆☆

咲紀の家は広くて掃除の行き届いた綺麗なものだった。


玄関先で靴を脱ぎ、その靴を持って家に上がる。


「咲紀の部屋はどこだろう?」


そう言うあたしに、和人が先に立って歩き出した。


「こっちが先の部屋になってた」


階段を上がりながらそう答える和人。


階段を上り切ると、目の前に1つ、左手に2つのドアが見えた。


逆側は行き止まりだ。


試に一番奥の部屋を開いてみると、そこはガランとした何もない部屋だった。


以前は誰かがつかっていたのか、壁にはポスターが張られたままになっている。


次に1つ手前のドアを開く。


その瞬間「あっ」と、声を上げていた。


白い壁に白いテーブル。


本棚の色も白い。
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