ストーリー
「これだ」


それは《良い言霊、悪い言霊》というタイトルの本だった。


タイトルだけでだいたいの内容は把握できた。


本がシュリンクされていないの幸いだった。


あたしはまず目次ページに目を通した。


《良い言霊》


《良い言霊で引き寄せる》


《良い言霊で毎日が明るくなる》


「本当にこんな本にヒントがあるのかよ」


和人が隣で首をかしげている。


確かに、この本はスピリチュアルの系統が強いかもしれない。


けれど、咲紀の呪いだって目に見えないものなのだ。


本に書かれているものすべてを否定することはできない。
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