ストーリー
和人の説明に驚いたけれど、あたしは目を見開くこともできなかった。


あたしの体は一体どうなってるの?


「なんで死ななかったか、わかる?」


そう聞かれても、わからない。


そしてその答えを伝える術も、あたしは持っていなかった。


和人は「よいしょ」と声を出して立ち上がると、鞄の中から何かを取り出した。


それを見て息を飲む。


咲紀の日記だ!!


河川敷で警察を呼んだ後、この日記がどうなったのか知らなかった。


和人がずっと持ってくれていたのだろう。


「俺、ずっと考えてたんだ」


そう言いながら、和人は日記をめくる。


水で濡れたせいで、フニャフニャの形のまま乾いていた。


下手をしたら破いてしまいそうだ。
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