ストーリー
咲紀の呪いが消えたことはもうわかった。


だから、今のあたしがどうなっているのか知りたい。


「愛奈。どうして俺がここまで愛菜を守るかわかる?」


グッと顔を寄せてそう聞いてくる和人に、あたしは視線を逸らせた。


和人があたしのことを好きなのは、薄々感づいていた。


だからこそ、修人からあたしを守ってくれたのだ。


修人と和人の2人であたしを悪者にした方が、リスクもずっと少なかったはずなのに。


視線をそらし続けるあたしを見て、和人はスッと身を引いた。


「そうだ。起きてからまだ1度も自分の姿を確認してないんじゃない?」


そう言われて、あたしは視線を和人へ戻した。


和人は鞄の中から手鏡を取り出した。


「確認する? いつも通り、可愛いけどね」


かざされた手鏡を見て、あたしは自分の目を疑った。


そこに写っていたのは顔も頭も包帯でグルグル巻きにされた、まるでミイラのような自分だったのだから。
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