ストーリー
あたしは近くのベンチに座って気持ちを落ち着かせた。


「人身事故に遭ったのが美春だって決まったワケじゃない」


あたしは自分に言い聞かせるように、そう言った。


「そうだよな。考えすぎはよくない」


健太郎があたしの隣に座り、手を握りしめてくれた。


あたしはスマホを取り出して美春にメッセージを送る事にした。


きっと返事がくるはずだ。


そう、願って。


しかし、美春へ向けて送った《今どこ?》というメッセージは既読すらつかない状態で、時間だけが過ぎて行ったのだった。
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