ストーリー
☆☆☆

仮に咲紀の呪いが現実にあったとしても、日記は自分の小説してしまってからじゃないと処分できない。


次のコンテストで入賞すれば、現役高校生作家としてデビューすることができるのだ。


そして咲紀の日記は大いにその可能性を秘めていた。


「今日も頑張って書かなくちゃ」


そう呟いて部室のドアを開けた時、先に来ていた明日香が慌てたようすで何かを隠すのが見えた。


「明日香。どうしたの?」


「な、なんでもないよ」


そう言って笑顔を浮かべているが、どうにも嘘くさい。


あたしは机に鞄を置くと真っ直ぐ明日香に近づいた。


後ろ手に何かを隠しているのがバレバレだ。
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