ストーリー
ここに上って来たときには気が付かなかったのに……。


あたしは疑問を感じながら足を進めた。


なんでもいい。


この日記をどうにかしてもらうことができれば、それでいいんだ。


もうコンテストなんて関係なかった。


途中までは書けているから、後は自力で考えて完成させればいい。


「お札……?」


賽銭箱の上に無造作に置かれたそれは、なにかのお札のようだった。


長方形の紙に、赤い文字で何かが書かれている。


見たところ綺麗だし、ついさっき誰かが書いたばかりにも見えた。


これを貰って帰っても大丈夫だろうか?


あたしは周囲を見回して人を探した。


もしかして、あたしが困っていることに気が付いて誰かが置いて行ってくれたとか?


まさか、それなら一声かけてくれるハズだ。
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