ストーリー
☆☆☆

明日香を殺してしまった日から、あたしはしっかり眠ることができなくなっていた。


人1人殺しているのだから、安眠できなくて当然だった。


しかし、この日夢に出て来たのは明日香ではなく、咲紀だったのだ。


咲紀は汚れた制服を身に着け、髪の毛もボサボサの状態であたしの前に立っていた。


それは、生前イジメていた姿そのものだ。


その姿をみていると、またイジメてやりたいという気持ちが湧いてくる。


「才能もないくせに、調子乗んなよ」


あたしはそう言い、夢の中の咲紀に手を上げた。


頬を打つ感触も、横倒しに倒れる咲紀も、生前と何一つかわらなかった。


咲紀は怯えた目であたしを見つめる。


涙を浮かべて「もうやめて」と懇願する。


それを見ると更にイジメてやりたくなるのだ。


もっともっと傷つけ、痛み付ければ作品を作ることをやめるのではないか。


そんな気持ちが強かった。
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