“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「他に、レティーシア様からいただいた品はありますか?」

「これ以外には、なかったはず」

「そうでしたか」

もしかしたらこの銀粉と薬剤も、資格を持っていない錬金術師が広めた可能性がある。二、三回しか使っていないアリアンヌお嬢様でさえ、けっこう髪の毛にダメージを受けている。毎晩のように夜会に参加している令嬢は、もっと酷いことになっているだろう。

「もう、この髪は切って、新しい髪を伸ばすしかないのかしら?」

「いいえ、切る必要なないですよ。一回、ヘアパックをしてみましょう」

「ヘアパックって?」

「髪の毛に栄養を与えて、サラサラにすることです」

「そんなこと、できるの?」

「ええ、できますよ。髪と施術の相性もありますが、いくつか知っていますので、お作りしますね」

「もしも、髪の毛がきれいになるとしたら、嬉しいわ!」

美髪マニアの姉から教えてもらったもので、パックをしたあとは髪が驚くほどサラサラになった。きっと、アリアンヌお嬢様にも効果があるだろう。
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