“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「仕事は、無理をする必要はない。少しでもつらかったら、休め」
「いや、でも、この二十二年間、風邪のひとつも引いていないですし、常に元気です」
「病気をしたことがないのであれば、免疫がないということになる。そういう者が病気になれば、酷く寝込むと聞いたことがある」
「いやいや、大丈夫ですって」
あまりにもミシェル様の顔が近いので、慌てて顔を逸らそうと思ったら顎をそっと掴まれる。じっと青い瞳に見つめられ、身動きが取れなくなってしまった。
……なんだ、この甘ったるい雰囲気は。
なぜか、目を閉じたほうがいいとわかっていたものの、それをしたら大変なことになると、脳内の警鐘がカンカンとけたたましく鳴り響いていた。
でも、この青い瞳には抗えない。目を閉じてしまった。
その瞬間、馬車が停車し、私はミシェル様に頭突きをかましてしまった。
「!」
「どわっ!」
ガツン!と、すごい音が鳴った。私はぜんぜん痛くなかったけれど、ミシェル様は痛かっただろう。
「ミシェル様、大丈夫ですか!? ごめんなさい、石頭で」
「……いや、問題ない」
問題あるように見えるのだけれど……。
「いや、でも、この二十二年間、風邪のひとつも引いていないですし、常に元気です」
「病気をしたことがないのであれば、免疫がないということになる。そういう者が病気になれば、酷く寝込むと聞いたことがある」
「いやいや、大丈夫ですって」
あまりにもミシェル様の顔が近いので、慌てて顔を逸らそうと思ったら顎をそっと掴まれる。じっと青い瞳に見つめられ、身動きが取れなくなってしまった。
……なんだ、この甘ったるい雰囲気は。
なぜか、目を閉じたほうがいいとわかっていたものの、それをしたら大変なことになると、脳内の警鐘がカンカンとけたたましく鳴り響いていた。
でも、この青い瞳には抗えない。目を閉じてしまった。
その瞬間、馬車が停車し、私はミシェル様に頭突きをかましてしまった。
「!」
「どわっ!」
ガツン!と、すごい音が鳴った。私はぜんぜん痛くなかったけれど、ミシェル様は痛かっただろう。
「ミシェル様、大丈夫ですか!? ごめんなさい、石頭で」
「……いや、問題ない」
問題あるように見えるのだけれど……。