“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
「デルフィネ様は伯爵令嬢時代から、レティーシア様を王太子妃候補にするつもりだったのでしょうか?」
「いや、それは……」
ミシェル様は何かを話そうとしたが、言いよどむ。
「ミシェル様は以前から、レティーシア様をご存じだったようですね」
「ああ。婚約者候補だったのだ」
なるほど。そういうわけだったのか。
それとなく、レティーシア様はミシェル様がお好きだったのかな、と思っていたが、まさか婚約者候補だったなんて。
「なぜ、お断りになったのか、というのはお聞きしないほうがいいですか?」
ミシェル様は首を横に振り、当時あったことを話してくれた。
「レティーシア様の父君であった今は亡きセルヴァン前伯爵は、国王親衛隊の隊長だった。そこで、デルフィネ様が私にある条件を持ちかけてきたのだ」
それは、レティーシア様と結婚したら、国王陛下の親衛隊の隊長の座を明け渡す、と。
「貴族は、家の力で出世する。しかし、私はそういうことが好きではない。だから、婚約話を断った」
「いや、それは……」
ミシェル様は何かを話そうとしたが、言いよどむ。
「ミシェル様は以前から、レティーシア様をご存じだったようですね」
「ああ。婚約者候補だったのだ」
なるほど。そういうわけだったのか。
それとなく、レティーシア様はミシェル様がお好きだったのかな、と思っていたが、まさか婚約者候補だったなんて。
「なぜ、お断りになったのか、というのはお聞きしないほうがいいですか?」
ミシェル様は首を横に振り、当時あったことを話してくれた。
「レティーシア様の父君であった今は亡きセルヴァン前伯爵は、国王親衛隊の隊長だった。そこで、デルフィネ様が私にある条件を持ちかけてきたのだ」
それは、レティーシア様と結婚したら、国王陛下の親衛隊の隊長の座を明け渡す、と。
「貴族は、家の力で出世する。しかし、私はそういうことが好きではない。だから、婚約話を断った」