“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
そんな中で、デルフィネ様の前に立ちはだかる人物が現れる。レティーシア様だ。

「お母様、何をおっしゃっているの? アリアンヌお義姉様が、不正なんてするわけがないでしょう? 侍女だって、悪い錬金術師ではありませんわ!」

レティーシア様が味方をしてくれるなんて。胸が熱くなる。

「ロラン、侍女を助けなさい」

「は?」

「早なさい、この駄犬!」

「あ、ああ。わ、わかったよ」

レティーシア様の専属騎士であるロランさんが、参加者をかき分けて私のもとへと駆けてくる。それを止めるのは、私の周囲にいたデルフィネ様の手下の男達だ。

多勢は無勢。瞬く間に、ロランさんは取り押さえられていた。

やはり、ダメだったか。

ガッカリし落胆していたところに、まさかの展開となる。

「エリー」

「!」

皆の注目がレティーシア様とロランさんに集まる中で、ミシェル様が私のもとへとやってきた。

「今、出してやるから」

「……」

ミシェル様を見たら、涙がポロポロと流れてしまった。

鍵が開けられ、体を引き寄せられる。口の布が外され、手足の拘束からも解放された。
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