ビター・シュガー
「桃。数学見てやろうか?」

「ほんと?!」

「この前のテストどうだった?」

「淳史さんに教えてもらった公式バンバン出たー!だから、お陰様で上位キープしてるよー!」


そう言って、制服姿のままはしゃぐ彼女の頭をぽんっと軽く叩いて、


「そっか。良かったじゃん。んじゃ、着替えて来いよ。またレクチャーしちゃる」

「何気に淳史さんって頭いいよね?大学何処だっけ?」

「あ?○○大学の主席卒に決まってんだろ」

「うぇぇぇぇ?!」

「いいから、早く。5分で来ねぇと部屋に入れてやんない」


しっしっと手で促して、俺はにやりと笑った。
いくら荒んだ生活していたとは言え、学校でも会社でもそんなことはおくびにも出さないのが俺の信念。
つーか、オンオフの切り替えは大人のマナーです。


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