8月8日の約束…
約束の場所へ…
「未央奈さん!」
悠理は、未央奈を見付けて駆け寄った。
「ゆ、悠理ちゃん…。」
未央奈は、悠理を見た。
「は、遥香は…?」
と、悠理は訊いた。
「……。」
未央奈は、黙って首を横に振った。
「え!?」
悠理は、驚きを隠せなかった。
━━ここは宇都宮市内の総合病院。
悠理は、未央奈からの電話で宇都宮に戻って来ていた。
━━遡る事、約二時間前。
パレットタウンの大観覧車の前で、未央奈からの電話を受けた。
「未央奈さん、何で…遥香の携帯から…。」
と、悠理は訊いた。
『は、遥香が…。』
未央奈は声を震わせながら、
『遥香が…交通事故に…遭ったの…。』
「ほ、本当ですか?」
悠理の声も震えていた。
「うん、パレットタウンに行くって、家を出て…。」
「!?」
悠理は愕然とした。
そして、病院の場所を聞いた悠理は、急いで向かった。
急いでいた悠理は、東京から新幹線を使ったが、それでも約二時間程掛かってしまった。
病院に駆け込んだ悠理は、未央奈を見付けて声を掛けたのだ。
「は、遥香…。」
悠理は、その場にへたりこんでしまった。
「遥香に…。」
未央奈は涙を浮かべながら、
「遥香に、会ってあげて…。」
と言った。
「……。」
悠理は黙って頷いた。
━━病院内の霊安室…。
悠理は、遥香を見つめた。
遥香は横たわって、眠っているようだった。
“奇跡的”というと言葉は悪いかもしれないが、顔は無傷なので、本当に眠っているようだ。
「遥香…。」
悠理は、呟くように言った。
涙が溢れて来た。
━━病院のロビー。
悠理はソファーに座って泣いていた。
「遥香…ごめんね…。」
悠理は泣きながら言った。
傍には未央奈と、みなみがいる。
━━この病院は、みなみの勤務先でもあった。
「私が…いけないんだ…。」
悠理は声を震わせながら、
「私が…遥香の命を奪ったんだ…。」
と言った。
「悠理ちゃんは、何も悪くないじゃない…。」
と言って、未央奈は悠理の隣に座った。
「未央奈さん…。
私が…遥香と友達にならなければ…遥香は…こんな目に遭わなかったんです…。」
と、悠理は泣きながら言った。
「悠理ちゃん…。」
未央奈は悠理を見つめた。
「やっぱり…私は…地獄少女なんだ…。
私に関わった人は、皆んな不幸になるんだ…。
遥香だって…私が去年のクリスマスに、また…パレットタウンに行きたいなんて…言ったから…。
私がそんな事を口にしなかったら…。
遥香は…事故に遭わずに…済んだのに…。
私が…私が…私が…遥香の笑顔も…未来も…全部…奪ったんだ…。
私は…地獄少女!
私は関わった人を不幸にするんだ!
私なんか、生きていちゃいけないんだ!
生まれて来ちゃいけなかったんだ!」
悠理の言葉は、最後には泣き叫ぶようになっていた。
「それは違うよ!」
未央奈は強い口調で言うと、
「全く…逆なの…。」
と、悠理の肩を抱いた。
「!?」
悠理は未央奈を見て、
「ぎゃ、逆っ…て…?」
と言った。
「悠理ちゃんの…お陰なの…。」
と、未央奈は言った。
「ど、どういう…意味…ですか…?」
と、悠理は未央奈を見た。
「悠理ちゃんが…いてくれたから…。」
未央奈は涙を浮かべながら、
「悠理ちゃんと…出会えたから…。
あの子は…遥香は…。
長生き出来たの…。」
と言った。
「え?」
悠理は、驚きを隠せなかった。
「遥香は…元々…。」
未央奈は悠理を見つめて、
「長くは生きられなかったの…。」
と言った。
「!?」
悠理は、言葉を失った。
「悠理ちゃんのお陰なんだよ。」
と、みなみが言った。
「み、みなみさん…。」
悠理は、みなみを見た。
「私、遥香ちゃんの担当だったから…。」
みなみは未央奈を見て、
「悠理ちゃんに…話しても…いい…?」
と訊いた。
「うん。」
未央奈は頷いた。
「悠理ちゃん…。」
みなみは悠理を見た。
「……。」
悠理は黙って、みなみを見た。
「遥香ちゃん…。」
みなみは少し間を置いて、
「心臓病…だったの…。」
と言った。
「!?」
悠理は再び言葉を失った。
「それも…。」
みなみは声を震わせながら、
「手術しても治らない…心臓病…だったの…。」
と言った。
「な、治らない…?」
悠理は二人を見た。
「ええ。」
みなみは頷くと、
「心臓病にも色々と種類があって、手術すれば治る心臓病もあれば、手術しても治らないというか、完治しにくい心臓病もあるの…。」
と言った。
「遥香が…。」
悠理は声を震わせながら、
「治らない…心臓病…。」
と、呟くように言った。
悠理は、未央奈を見付けて駆け寄った。
「ゆ、悠理ちゃん…。」
未央奈は、悠理を見た。
「は、遥香は…?」
と、悠理は訊いた。
「……。」
未央奈は、黙って首を横に振った。
「え!?」
悠理は、驚きを隠せなかった。
━━ここは宇都宮市内の総合病院。
悠理は、未央奈からの電話で宇都宮に戻って来ていた。
━━遡る事、約二時間前。
パレットタウンの大観覧車の前で、未央奈からの電話を受けた。
「未央奈さん、何で…遥香の携帯から…。」
と、悠理は訊いた。
『は、遥香が…。』
未央奈は声を震わせながら、
『遥香が…交通事故に…遭ったの…。』
「ほ、本当ですか?」
悠理の声も震えていた。
「うん、パレットタウンに行くって、家を出て…。」
「!?」
悠理は愕然とした。
そして、病院の場所を聞いた悠理は、急いで向かった。
急いでいた悠理は、東京から新幹線を使ったが、それでも約二時間程掛かってしまった。
病院に駆け込んだ悠理は、未央奈を見付けて声を掛けたのだ。
「は、遥香…。」
悠理は、その場にへたりこんでしまった。
「遥香に…。」
未央奈は涙を浮かべながら、
「遥香に、会ってあげて…。」
と言った。
「……。」
悠理は黙って頷いた。
━━病院内の霊安室…。
悠理は、遥香を見つめた。
遥香は横たわって、眠っているようだった。
“奇跡的”というと言葉は悪いかもしれないが、顔は無傷なので、本当に眠っているようだ。
「遥香…。」
悠理は、呟くように言った。
涙が溢れて来た。
━━病院のロビー。
悠理はソファーに座って泣いていた。
「遥香…ごめんね…。」
悠理は泣きながら言った。
傍には未央奈と、みなみがいる。
━━この病院は、みなみの勤務先でもあった。
「私が…いけないんだ…。」
悠理は声を震わせながら、
「私が…遥香の命を奪ったんだ…。」
と言った。
「悠理ちゃんは、何も悪くないじゃない…。」
と言って、未央奈は悠理の隣に座った。
「未央奈さん…。
私が…遥香と友達にならなければ…遥香は…こんな目に遭わなかったんです…。」
と、悠理は泣きながら言った。
「悠理ちゃん…。」
未央奈は悠理を見つめた。
「やっぱり…私は…地獄少女なんだ…。
私に関わった人は、皆んな不幸になるんだ…。
遥香だって…私が去年のクリスマスに、また…パレットタウンに行きたいなんて…言ったから…。
私がそんな事を口にしなかったら…。
遥香は…事故に遭わずに…済んだのに…。
私が…私が…私が…遥香の笑顔も…未来も…全部…奪ったんだ…。
私は…地獄少女!
私は関わった人を不幸にするんだ!
私なんか、生きていちゃいけないんだ!
生まれて来ちゃいけなかったんだ!」
悠理の言葉は、最後には泣き叫ぶようになっていた。
「それは違うよ!」
未央奈は強い口調で言うと、
「全く…逆なの…。」
と、悠理の肩を抱いた。
「!?」
悠理は未央奈を見て、
「ぎゃ、逆っ…て…?」
と言った。
「悠理ちゃんの…お陰なの…。」
と、未央奈は言った。
「ど、どういう…意味…ですか…?」
と、悠理は未央奈を見た。
「悠理ちゃんが…いてくれたから…。」
未央奈は涙を浮かべながら、
「悠理ちゃんと…出会えたから…。
あの子は…遥香は…。
長生き出来たの…。」
と言った。
「え?」
悠理は、驚きを隠せなかった。
「遥香は…元々…。」
未央奈は悠理を見つめて、
「長くは生きられなかったの…。」
と言った。
「!?」
悠理は、言葉を失った。
「悠理ちゃんのお陰なんだよ。」
と、みなみが言った。
「み、みなみさん…。」
悠理は、みなみを見た。
「私、遥香ちゃんの担当だったから…。」
みなみは未央奈を見て、
「悠理ちゃんに…話しても…いい…?」
と訊いた。
「うん。」
未央奈は頷いた。
「悠理ちゃん…。」
みなみは悠理を見た。
「……。」
悠理は黙って、みなみを見た。
「遥香ちゃん…。」
みなみは少し間を置いて、
「心臓病…だったの…。」
と言った。
「!?」
悠理は再び言葉を失った。
「それも…。」
みなみは声を震わせながら、
「手術しても治らない…心臓病…だったの…。」
と言った。
「な、治らない…?」
悠理は二人を見た。
「ええ。」
みなみは頷くと、
「心臓病にも色々と種類があって、手術すれば治る心臓病もあれば、手術しても治らないというか、完治しにくい心臓病もあるの…。」
と言った。
「遥香が…。」
悠理は声を震わせながら、
「治らない…心臓病…。」
と、呟くように言った。